冠(ゆるぎ)組紐

投稿日:2017年08月17日

作成者:kagetsuddo

組紐の歴史は想像以上に永く、縄文土器に、埴輪の衣装に組紐の痕跡を見ることが出来ます。
平安時代には高貴な人の冠や衣装へ、そして室町時代に入り、禅や茶道・華道の世界で珍重されます。時代が武家社会へと移り変わると、装飾品であった組紐には、武具としての実用が始まります。
江戸時代、組紐の用途の中心は武家階級の武具として用いられるようになります。 兜の紐は、首へかけるため伸び縮みがよく、肩は刀では切れないようにきつく、腰よりも下は水に入ったときにも軽く、 動きやすいように・・・と、用途と部位によってその組み方は創意工夫がなされていきました。
そして組紐を組むことは武士の素養の一つとなり、組めないと一人前ではないとされたのです。 人形の佳月の加藤一冑作品は、日本で唯一本物の「冠組紐」を使用しております。真の節句の心、日本の精神美の世界をご堪能ください。

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